専門看護師という資格について

医療や介護のニーズが高まっている現在、看護師に求められている能力は知識や技術だけではありません。高齢化社会では、病気を持ちながらも自力で生活をしていく人が増えています。患者は身体的なケアだけでなく、精神的支援や社会的支援が必要です。
こうしたニーズに対応できるのが、看護のエキスパートとされる専門看護師です。専門分野は、がん看護や地域看護、老人看護など13の分野に分かれています。専門看護師になるには、通算5年以上実務を経験し、うち3年以上は資格取得したい分野で実務研修を積み、さらに看護系大学院に2年間通って38単位を取得することが必要です。
その後、書類審査や筆記試験といった審査があり、合格すれば専門看護師として認定、登録されます。また、看護実践の実績や研修実績などの審査をもとに、5年ごとに更新しなければなりません。

専門看護師の資格を取得するのは難易度が高いですが、キャリアアップを目指し、高い水準の看護を提供したいと考えているなら挑戦する価値はあります。取得すれば、患者のサポートや患者の家族のケアを行うなど、トータルケアを幅広く実践できるようになるため、やりがいを感じられるでしょう。
転職の際に専門看護師であることをアピールできたり、管理職へ昇進するチャンスに恵まれたりする可能性もあります。病気を治すことだけが医療ではないこれからの時代、患者とその家族、地域などを包括的に考えることのできる専門看護師は不可欠な存在となっていくでしょう。